東北大学 金属材料研究所 量子ビーム金属物理学研究部門

東北大学 金属材料研究所 量子ビーム金属物理学研究部門
研究者の方 学生の方 中性子利用をご検討の方 卒業生・研究室関係の方 研究室内向け
原子とスピンの時空間構造をみる目
−中性子散乱−


 物性の発現機構の解明において,原子やスピンの静的配列とその動的挙動の決定は,もっとも基本的で重要なことです.原子核とスピンの構造と運動を,広い時空間スケールで観測できる手法が中性子散乱法です.東北大学では、研究用原子炉JRR-3に設置している3台の中性子散乱装置,および,高強度中性子ビームが得られるJ-PARCの物質・生命科学実験施設に新設している最先端分光器にて,中性子散乱測定の機会を提供します.軽元素を含むエネルギー基盤材料の結晶構造から金属磁性体や強相関電子系物質における磁気励起まで,幅広い対象の研究にご活用下さい.

共同利用

= 利用案内 =
 JRR-3に設置している中性子散乱装置は,共同利用・共同研究拠点制度に基づき運営しており,JRR-3の再稼働が予定されている令和2年度末以降に,全国の研究者にご利用頂けます.また,物質・生命科学実験施設のPOLANOは,平成31年4月からマシンタイムの一部を一般課題に供しております.ご利用に際しては,金属材料研究所の職員が支援いたします.さらに,東北大学金属材料研究所 中性子物質材料研究センターでは,独自の共同利用・共同研究を開始いたしました.中性子ビームを利用して行う研究だけでなく,装置や解析手法の開発,データ解析,理論研究を含む中性子科学に関する課題に対して支援を行います.興味をお持ちの方は,下記の連絡先にお問い合わせ下さい.また,共同利用・共同研究の支援内容に関する簡単な説明はこちらからご覧いただけます.
 * JRR-3に設置している装置の課題申請窓口は,東京大学物性研究所になります.
 * POLANOの建設,および,運営は高エネルギー加速器研究機構と共同で行っています.

= 実績 =
 東北大学では,約40年に渡り中性子散乱に関する共同利用を推進してきました.毎年の利用者数は70グループ,述べ200人に及び*,これまで多数の研究者にご利用頂いております.東北大学装置による出版論文数は,JRR-3における大学共同利用全体の1/3を越えています.また,実践的な教育により,散乱実験,および,物性研究のスキルを身につけた人材を多く輩出しています.
 * 震災によるJRR-3の停止前の統計です.


東北大学 中性子散乱装置群 (PATH)
Tohoku University Neutron Scattering Instruments

 PATHは異なる特徴を持った東北大中性子散乱装置群の総称です.物質中の原子核とスピンの配列は,HERMESを用いて精密に決定できます.その運動の様子は,POLANO,AKANE,TOPANにより詳細に調べることができ、観測するエネルギー・運動量領域の違いに応じて装置を使い分けます.また,偏極中性子ビームが利用できるPOLANOとTOPANでは,原子核成分と磁気成分の分離が可能で,スピンの運動を詳細に知ることができます.PATHは東北大学金属材料研究所の中性子物質材料研究センターで一体運営しています.重層的な中性子利用プラットフォームを提供し,物性研究や物質材料研究の発展に貢献致します.

 装置名称
 POLANO(P チョッパー型偏極中性子散乱装置
 AKANE(A
 三軸型中性子分光器
 TOPAN(T 三軸型偏極中性子分光器
 HERMES(H) 高能率中性子粉末回折装置

 測定内容
 構造解析  H
 
分光解析  P, A, T
 
変極度解析  P, T



 共同利用・共同研究拠点制度により,全国の研究者にご利用頂けます.ご利用は、JRR-3の再稼働後,または,建設中の最先端分光器POLANOの完成後となります.


所在地および連絡先

研究用原子炉 JRR-3
物質・生命科学実験施設 MLF
東北大学金属材料研究所















E-mail: nc-imr@imr.tohoku.ac.jp
Tel: 022-215-2035


中性子物質材料研究センターのホームページ

PATHグループの活動ホームページ